やちおさんハイブリッド!

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  • 有賀 冬
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或る管理人の記録

  • ギャー!大変更新しておりませんでした!
    調子が戻り始めたので、またチョコチョコ更新再開いたします。


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[ 上前津くんと下落合くん・麺 ]

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「こないだラーメン食べにいったんだけど、すげーショボくてさ」
「お前が? 食べにいったの? 本気ですか?」
「本気だよ。嘘ついてどうすんだよ、そんな事。
 普通のラーメン注文したんだけど、ネギとシナチクしか入ってねーの。七百円もするんだから、チャーシューくらい乗せろっての」
「チャーシュー!? お前、チャーシュー食べるつもりだったの?」
「そりゃ食べるよ」
「焼いた豚だよ?」
「だから食うっつーの。生豚のが危険だろ」
「アッラー、サムダニマハー」
「似非イスラム教徒はやめろ。お前の実家は寺だろ、仏教徒」
「仏教じゃねえ浄土真宗だ!」
「同じだろ。何キレてんだよ。
 つうかお前、反応するところおかしいよ。前から思ってたけど」
「そうかな?」
「そうだよ。だからお前合コンに誘われないんだよ」
「何言ってんの、誘われまくりですよ!」
「マジで?」
「みんな『また今度あったら行こうね』って」
「断られてんだよ遠回しに!」
「『生コンならいいよ』とか」
「コンクリどうする気だよ」
「全然気がつかなかった……オレ、ハブられてたんですか……」
「そんなに落ちこむなって」
「お前はマングース……」
「意味がわからないよ」
「よし、お前を親友と見込んで頼みがあります。オレに、正しい会話を教えてはくれまいか!」
「いや、親友になった覚えはないが」
「じゃ、お口の恋人として」
「ロッテかよ!」
「頼む!」
「分かった分かった。じゃあ友達として教えてやる」
「ありがとう!」
「じゃあ、さっきのを例に会話をする。俺が反応してほしい部分でちゃんとツッコんでくれ」
「わかった!」
こないだラーメン食べにいったんだけど、すげーショボくて
「こないだ? こないだっていつのことですか?」
「違う」
「ラーメン食べにいったの? あんなぬるい塩水に浸した細長い炭水化物を? ププー!」
「違うだろ! 『ショボくて』だよ! 何でわざわざ赤いとこじゃないところに反応をするんだよ!」
「黒のほうが、男の子の色かと思って」
「ランドセルじゃねえんだよ! もっと文脈で判断しろ。そういう空気読めないところがダメなんだよ」
「ご、ごめん。もう一回チャンスをください。オレが悪かったから、この通り」
「分かればいいんだ、顔を上げろ。いくぞ。
 こないだラーメン食べにいったんだけど、すげーショボくて
「ショボショボさん、先へおこし」
普通のラーメン注文したんだけど、ネギとシナチクしか入ってねーの。七百円もするんだから、チャーシューくらい乗せろっての
「ネギネギさん、シナチクさん、仲良しこよしであっぷっぷー」
「会話をしろッ!」
「だ、ダメですか?」
「あっぷぷーって何だよ!? 俺はそう言われて、どんな対応をすればいいんだ!」
「キミも一緒にあっぷっぷー」
「やるかバカ!」
「ダメか……」
「お前、リアクションがおかしい。絶対おかしい。いいか、今度は見本のセリフを一緒につける。だからその通りに言ってみろ」
「わかった」
こないだラーメン食べにいったんだけど、すげーショボくてさふうん、そうなんだ)」
「フーン、ソウ、ナン、ダ」
普通のラーメン注文したんだけど、ネギとシナチクしか入ってねーの。七百円もするんだから、チャーシューくらい乗せろっての(高いなあ)」
「ギギギ、タカイ、ナ」
「どうしてロボだァ!」
「異文化コミュニケーション」
「同文化なのにお前がわかんねーよ、バーカ!」
「あ、怒った?」
「もういい、お前は黙って聞いてろ!」
「う、うん」
「こないだ! ラーメン食いに行ったらショボかったんだよ!」
「…………」
「普通のラーメン頼んだら七百円もするのにネギとシナチクしか乗ってない! チャーシューくらい入れとけよっつーの!」
「もうその話は聞き飽きました」
「誰のせいだッ!」
[ 創作短文 / 2006.06.29 ]





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[ スモークリウム ]

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 青く透明、丸くて薄い正体不明の小さな板。
 「人魚の鱗だぜ」との触れ込みで、如何物好きの友人がくれたのだ。
 ついこの間、猿の手だと騙されて赤子の腕を買ったばかりだと言うのに、懲りない奴。
 煙草の一箱でもくれたほうがまだましだ。少なくとも半日分の暇つぶしにはなる。

 飽きて鱗をちゃぶ台の上に転がすと、歪曲した軌跡を描いて灰皿にぶつかる。
 そのままゆらゆらと倒れた。チン。澄んだ、ガラスのような音。
 油膜のような表面にゆるやかな波紋が広がり、電球の光を鮮やかに跳ね返す。人魚のものというよりは、蝶の羽の色合いだ。
 何で出来ているのだろう。電灯に透かして見る。
 ゆらり、ゆらゆら、光があふれだした。

 視界が青に染まり、僕は慌てた。手を動かすと、ざぼぉん、液体を殴る音。
 水だ。部屋の中が、クリアな水に満たされていく。
 見上げれば、低い天井と電灯の間をすりぬけていく、蒸気鰯の群れ。
 僕の紫煙をついばむ、半透明の仙魚たち。
 天井板の透き間からは、鰓の生えた人間の姿がひとつ、ふたつ。さざなみのように聞こえる笑い声。

 僕は気泡を吐き出した。ハッカの匂いの水が流れ込んでくる。
 不思議と息は苦しくない。吸って、吐いて、心地良い呼吸。鮮やかな酸素が肺を満たす。
 天板から滑り出てきた人魚が、僕の頬に軽やかなキスをした。瞼の裏に星が飛ぶ。
 僕は人魚のか細い腰を抱き寄せた。
 額をあわせ、僕らは微笑みあう。
 あいつも、たまにはいいものをくれるじゃないか。

 三十分後、僕は鱗を叩き割った。きらきらした音を立てて、青い破片は粉々になる。
 幻影の魚たちが、畳の上であっというまに干上がり、溶けていく。
 ヤニで黄ばんだつまらない電灯の下、僕はびしょびしょの前髪をかきあげ、湿気た灰を落とした。

 盲点だった。水の中じゃ、煙草が吸えない。
[ 創作短文 / 2006.06.26 ]






[ 謝罪はどうせクチバシ先で ]

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 口がヒリヒリする。
 スーパークールなミント飴のせいだ。
 からいガムとか飴は苦手だって言ってるのに、課長が面白がって私の口に入れたのだ。
 課長め。私が涙目になると半笑いで謝ってきたけど、ぜったいに許さない。
 今度深夜に電話をかけて、百物語してやる。オバケが怖いの、知ってるんだから。

 それにしてもひどい。
 ヒリヒリはうがいをしても治らない。胃のあたりまでゴロゴロしてる。
 空気でも水でも、口をとおるたびに氷よりもつめたく感じる。
 口の中だけ真冬だよ。ベロがおかしくなってるのかなぁ。
 口をあけて鏡をのぞく。
「なんきょくがきたぞー」
 口の中には、なぜかペンギンがいた。
 鏡ごしに目があうと、黒と白の鳥はつぶらな瞳でパチパチまばたき。
「すいません、まちがえました」
 ペンギンはお辞儀をして、喉の奥にすべって消えた。

 それ以来、カキ氷をたべるたびに鏡をのぞくクセがついた。
 舌が赤くなる以外、とくに異変はありません。
[ 創作短文 / 2006.06.22 ]






[ 死んだ駒鳥の体温 ]

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 肉をえぐる感触。
 ブロック肉を切る時と変わらない。ナイフをつきたてると、由香里は悲鳴ひとつ上げることなく倒れ伏した。

「刺しては駄目。抜けなくなるからね」
 僕にナイフの使い方を教えたのは、皮肉にも由香里だった。入学式で勧誘されたサークルのキャンプ。普段のおっとりとした様子とは違い、てきぱきと動く彼女に、僕は恋をした。
「包丁は押すんじゃなくて引くときに切るの。ナイフでものこぎりでも一緒」

「本当だね、由香里」
 僕はナイフをざくりと引く。真っ赤な血が、果汁のようにあふれる。
 赤い点が、バスルームのタイルの上に扇情的に描かれていく。

 これは安全な殺人だ。
 トリックは、うさんくさい占いの店で買った、ボッタクリ値段の泥人形。
 血を与えて月光にさらすと、その血の持ち主そっくりの形になり、生きているかのように動く。昔のアニメであった、コピーロボットみたいなものだ。
 今この時、僕の形をした人形は、コンビニで立ち読みをしている。
 アリバイがある限り、僕が逮捕されることは絶対にない。完全犯罪だ。
 由香里の身体に幾度もナイフを振り下ろしながら、僕は低く笑う。
 血の匂いというのは存外気持ちが良いものだ。
 由香里、こうしてお前に触れるのは、どれくらいぶりのことだっけ。

 つきあおう、と言い出したのは僕のほうだった。綺麗な由香里。おとなしい由香里。料理の上手な由香里。
 だけど気持ちはすぐに冷めた。
 綺麗な外見は、飽きればそうでもなかった。おとなしいのは退屈だった。今時手作り弁当なんて爆笑ものだ。
 由香里はそれでも僕に尽くした。
 炊事に洗濯、言われたことはなんでもやった。生活費を削ってまで高価なプレゼントを買い――すぐにそれは現金の受け渡しになった。
 当然だ。退屈な女を、僕が構ってやってるんだ。少しぐらいのメリットはあってもいいだろう?
 なのにあの女、ガキができたとか言いやがった。堕ろせと言ったら抵抗した。
 殴った。
 由香里は驚いたように、僕を見た。驚きが別の感情に変わるのを、僕は見た。
 由香里のなかから何かがこぼれ、変質していくのが分かった。強い意志。

 殺意だ。

「由香里、これは正当防衛だ。僕に殺人なんて罪を犯させるお前が全部悪い。お前がいけないんだ由香里。お前が、お前が」
「――そうだね。私が悪かった」
 由香里がしゃべった。
「あなたのような男を選んだ私が悪かった」
 違う。目の前でぼろぼろの由香里の唇は動いていない。
 背中に鈍痛。
 悲鳴を上げて僕は床に転がる。
「あまり騒がないで」
 僕の腹をがつりと押さえたスニーカー。
 そこからすらりと伸びる、白い足。
 立ってる、由香里。見慣れた。生きてる。
 背中に包丁をつきたてたまま、僕はぽかんともう一人の由香里を見上げた。
「忘れたの? あの占い師を紹介したのは私よ。
 あの人形、あなたは値切っていったんですってね。占い師が怒ってね、私に全部を教えてくれたの」
 由香里の唇が瞬く。どこか哀れむような視線が僕を停止させる。
 バスルームに満ちていた匂いを、僕は何だと思っていたのだっけ。
 どろり、僕の血に溶けて流れ出る、強い土の香り。
「私も同じものを買ったの。ふたつ。
 あなたに今殺されてるぶんと、今この時、私のアリバイをつくるぶん」
「ゆかり」
「ねえ、私信じたかったのよ?」
 喉の奥からこみあげてきたかたまりが、血の、赤、吐き散らかされる。
 由香里はもう一本の包丁を、ためらわずに振り下ろした。
 濡れた音が、バスルームに響く。



「毎度。うまく行ったかィ?」
 差し出された封筒の厚みを確認し、占い師はにまりと笑う。
「アンタみたいな上客を、殺させるワケにはいかないからねェ。つまんないトコをケチる奴は、つまんないコトに足をすくわれるもんサ」
 女はこわばった唇を開く。
「あのね、彼は、私が」
「おっと、言わないでおきナ。俺は何も知らないサ。口止め料なんかいらねェよ。愚かな男が、愚かな死に方をしただけヨ」
「……いいえ、本当に愚かなのは私」
 まだ膨らみを見せない腹を押さえ、女は笑う。

 馬鹿な男。私を殺そうとした、取るに足らない、無様で身勝手な男。
 けれど恋情はまだここにある。
 私は永遠に、彼のもの。
[ 創作短文 / 2006.06.20 ]






[ 或る天使の記録 その3 ]

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「神様なんかいねーんだよ」
「いーまーすーよ、います! 貴方が見たことないだけですよぉ」

 居酒屋で、隣に座った天使と飲んだ。

「だいぶ酔ってんな」
「いやもうコレ、酒っていうか神の子の血ですから!」
「キリストの血って、ワインのことだろ。お前が飲んでんのはコークハイだよ」
「資本主義の神の子は人間だから血ー!」
 天使はビールの瓶(俺のだ)をカウンターに叩きつけながら、アメリカ国歌を歌いだした。ベロベロだ。
「大体な、神様なんか関係ねーんだよ。毎日毎日、朝起きて仕事してメシ食ってクソひりだして寝るんだ。いてもいなくても、何にも変わらねえ」
「っかー! これだから現代っ子は嫌なんですよ! 昨日と同じ今日、今日と同じ明日が続いていくとは限らんですよ!
 神様に会って、人生変わらんかった人間はいないとです。その人にとっては世界が終わるくらいすごいことなんですよ」
「うぜーな、お前がそんなに言うなら見せてみろよ。神様がいるなら呼んでみろ」
「いいですよぉ」
 天使は、ぶらさげていたポシェットから携帯電話を取り出した。
「あ、もしもし? オレオレ。
 今どこ? え、マジ? 今オレ、ブクロにいんだけど来いよ、速攻。来ねえとツブすから。イデア的に。うん」
 天使が電話を切った瞬間、店の引き戸が開いた。
「ッラッシャーマセー」

 振り返ると、闇がぞろりと立っていた。
 黒いフードのはしっこから、真っ白いドクロの仮面がのぞく。
「お、来た来た。こっちこっちー!」
 天使が手招きをする。
 黒いやつは底光りする眼窩をぎらりと瞬かせ、大きな鎌を抱えたまま、親しげに手を振りかえす。
 おいおい、危ないな。店員の魂が切断されそうになってんぞ。

 今気がついたけどこの天使、羽のつけねが黒い。
[ 創作短文 / 2006.06.15 ]






[ ラッキーストライク ]

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「今日は最高ラッキー・デー! アンタ、超ツイてるゼ」
「ああ!?」
 ケンカ腰になったのには訳がある。
「俺ァなあ、さっき会社クビになって帰ってきたとこなんだよ」
「それくらい良くある事じゃァないか」
 ヘラヘラ笑う、うさんくさい占い師。殴りかかろうとする拳を必死で押さえる。

 リストラされた事を彼女に報告したら電話を切られ、つながらなくなった。
 家に電話をしたら親父が出た。母親が離婚届を置いて家を出ていったという。
 妹は「へー、大変だね。ところでお金貸して?」
 帰りの電車ではずっと、送別会で渡されたサボテンにチクチク刺され続けていた。
 来月からタバコも値上がりする。
 幸せなんてどこにある? 教えてくれよ、今、すぐ、ほら!

 まくしたてようと口を開いた瞬間、占い師の指が目の前に突き出された。
 迷いのない、すらりとした腕が横に動いていく。
 俺は思わずその先を眼で追った。
 ガムの吐き散らかされた歩道、白いガードレール。その先の交差点――そこをつきぬけ走ってくる、一台のトラック。
 左右に軋みながら、それでもまっすぐ突っ込んでくる。ヘッドライトがひどくまぶしくて目を細めた。
 それが、最後。



 悲鳴、怒号、クラクション。
 街灯の下、占い師は吹き飛んだ椅子を拾いあげた。ついでに、落ちていたタバコの箱も拾う。
 持ち主である椅子の上の男は、今や壁とトラックの隙間でハムよりも薄くなっている。
 椅子についた砂を払い、元の位置に戻す。パニックの中、そこだけがぽかりと静謐。
 その小さな舞台の上で、占い師はタバコを取り出し、火をつけた。
「ほゥら、今日はラッキー・デー。全てのシガラミは息絶えた。アンタはもう、自由だ」
 紫煙が、魂のように丸く漂う。
[ 創作短文 / 2006.06.11 ]






[ アルバム懐古主義 ]

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 掃除をしていたら、本の間から古いアルバムをみつけた。
 ぺらりとめくると、前カノの肩を抱いた俺が、レンズに向かってピースをなげている。
 そうそう、前カノはこんな顔をしてたっけ。なつかしいな。背がちいさくて声の高い、小鳥のような子だった。
 そんなことを考えていたら、写真の中の俺が言った。
「そうでもないぜ、後でかなり太ったしな。ギャアギャアうるさくて、最後のほうじゃノイローゼ気味だったじゃないか」
「そうそう、思い出になったから、良かったような気がするだけさ」
 隣に並んだ、前の前の彼女の写真の中の俺が言う。
「こいつの時も別れるの大変だったの、覚えてるか?」
 覚えてる覚えてる。夜中にいきなり部屋に来たりして、大変だったよな。でも、そういう一途なところが好きだった。
「喉元過ぎたから言えるんだよな」
「まったく、一回や二回浮気したくらいでガタガタガタガタ、なあ?」
「すげーうざかった! その点、お前はいいよ」
 俺が?
「ずいぶんお楽しみみたいじゃないか」
「こないだ遊びにきたカワイイ子、だれだよ?」
「こないだも別の女が来てたろ。部屋に連れ込んでも大丈夫なのか?」
 平気。今の彼女、俺を信じてるし。それにちょっとニブいからさ。
 本命は彼女だけど、結婚までは遊ぶつもり。
「いいなー、いいなー!」
「すげー! うらやましいぃぃ!」

 得意げに写真の俺達に笑った、その瞬間。
 ぞくりと悪寒が走り、慌ててうしろをふりかえる。
 ベッドの枕元、ぴかぴかのガラスのフォトスタンド。
 俺と手をつないでいた写真の中の彼女は、いつもの柔らかな微笑をかなぐり捨てて、そして
[ 創作短文 / 2006.06.08 ]






[ 盲目の透明度 ]

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 ぷかりと大きな泡を上げて、青の水底から浮かび上がってくるのは、海と同じ瞳の色をした人魚。
 この愚かな生き物は、俺が水槽に手を当てると同じ場所に触れる。
 透明なアクリルの厚みは五センチ。突き抜けられるわけもない。
 それなのに俺の手をつかもうと、指先が赤くなるまでぎゅうぎゅう押し付けてくる。
 馬鹿め、だから捕らえられ、こんなところに閉じ込められたのだ。
 明日、こいつを解剖する。


 かなしいきもちのひとがいる。
 なにかいっているけどきこえなくて、においもしなくて、すごくちかくにみえるのに、とてもとおくにいるみたい。
 そっちには、かなしいことがあるの?
 そんなかおをしないで。こっちにおいで。
 わたしはてをのばす。

 てをのばす。
[ 創作短文 / 2006.06.05 ]






[ それではみなさんアリガトウ ]

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i_22.jpg
 とうとつに思い立ってハンドルネーム変えてみたよ。6月1日だしね!(何ら関係ない)

 しかしこの暑さだってーのに、おじさんスーツの黒率が高い。なーぜーかー黒い。
 体温の高いおじさんにむっさり囲まれ、朝は生臭いサウナ状態で電車に揺られていくわけですよ。
 生気がしゅるしゅる奪い取られていくわけですよ。
 地獄は、死んでなくてもあるのです。
[ 履歴/日記 / 2006.06.01 / Co0 ]






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