やちおさんハイブリッド!

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  • 有賀 冬
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或る管理人の記録

  • ギャー!大変更新しておりませんでした!
    調子が戻り始めたので、またチョコチョコ更新再開いたします。


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[ ルナ・パークへようこそ ]

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 シンユウのマサキがいなくなった。
 オレはマサキをさがして夜のまちにでかけることにした。

 夜のこうえんで、ピエロのふくをきたおとこにあった。
「探しものかい?」
「マサキだよ。オレのしんゆうだ」
「ふうん」
 ピエロはオレのかおをのぞきこむ。おけしょうのニオイがする。
「君が探しているものは、 存在しないものの影だろう? どこを探したって見つかりはしないよ」
「マサキがどこにもいないっていうのか!」
「存在しないものは、探しても見つからない。影は追いかけてもただの幻。――ただ一箇所をのぞけばね」
 そいつがぱちん、とゆびをならすと、こうえんがきゅうにあかるくなった。
 ぴかぴかひかる、たくさんのテント。ピエロはにっこりわらっておじぎをする。
「ようこそ、ルナ・パークへ。君の探し物はここにあるよ」


(し――ッ!)
 そのテントをあけると、しろいゆびが「しずかにしなさい」のかたちでとびだしてきた。
 ガイジンのおんなのこ。ふしぎのくにのアリスみたいなフワフワしたふくをきてる。
(マサキをさがしてるんだ)
(探し人ね。少し待ってて)
 テントのまんなかにはプラネタリウムみたいなでっかいキカイがあって、アリスのこえにブルル、ブルルとへんじをする。
「仕事よ。幻燈機」
 ブルルル。うなりごえがおおきくなった。パッとあかりがつく。
 スクリーンに、ニコニコえがおのマサキがうつってる。
「マサキ!」
 そこからさかのぼるようにぐるぐるながれる、たくさんのマサキのすがた。
 キャンプにいったこと。いっしょにじでんしゃにのれたこと。ガッコウにしのびこんだ夜。
 そして、そして――ブツン。
 スクリーンのそとに、マサキがいた。
「マサキ! マサキ、まーくん!」
 こどものころのよびかたで、マサキをよんだ。マサキはわらう。
『どうしたの? 元気ないよ?』
「まーくん、あのさ、あのさオレ――」
『いやだよ』
 マサキは、きゅうにクチをとがらせた。
『ちゃんと行かなきゃダメだもん。先生に怒られるのヤだよ!』
「まーくん?」
『だからダメだってば! そうじゃなくて。怒られないようにちゃんと準備しなきゃ。ね?』
 ちがう。
 これも、おもいでのなかのマサキだ。きのう、イタズラのやくそくをしたときのマサキ。
「ちがうよ。こんなのほしくないよ!」
 キカイはオレのこえをきくと、ブルン! とおおきくうなってから、うごくのをやめた。
 ――マサキはふぅっときえた。

 ふたつめのテントには、くろいフードのやつがピクリともせずにすわっていた。
「あのぅ、オレ、マサキをさがしてるんだけど……」
「…………」
「あのぅ?」
「待チビト来ズ!」
 そいつはものすごいこえでいきなりしゃべりだした。
「待チビト来ズ! 待チビト来ズ!! 巡リ巡ル螺旋ノ渦ニ交ワル糸モナク引キ会ウ縁ナク会エバ別レ会ワネバ会ワヌ! 待チタトコロデ甲斐モナシ! ケーッケッケッケェ!」
 そしてカクンとねむるように、またしずかになった。
 オレとマサキがもうあえないって、そういってた。
 むかついてキックしてやると、そいつはゆかにゴロンとたおれた。
「ケーッケッケェ!」
 オレはすぐにそのテントからそとにでた。
 ――べつに、こわくなったからとかじゃないぞ。ぜったい。


「君の親友はみつかったかい?」
「……ピエロのうそつき」
 オレはもうへとへとにつかれていた。
 いくつテントををさがしても、マサキはいない。だれにきいても、しらないっていわれる。
「かわいそうに。まだ君の探しているのが幻だとわからないんだね?」
「マサキはマボロシじゃない! オレのしんゆうなんだ!」
「マサキという名の少年は何処にもいない。君が見ていたのは存在しない影だ」
「カゲなんかじゃない! マサキは――まーくんはいるんだ!」
「――それが君の望み?」
 かおをあげると、ピエロがオレにてをさしだした。
「わたしと一緒に来るかい? 君の望む、夜のうつし世をあげるよ。
 そう、例えば――」
 ピエロがボウシをとった。ふくが、ゆかにおちる。
 ばさっとおとをたてて、のこったのはひとりのオトコのコ。
 オレは目をぱちぱちさせた。
「まーくん!?」
 いつものかおで、まーくんはわらった。
「おいでよ、一緒に遊ぼう!」
 まぶしいヒカリがさした。アコーディオンのおとがきこえる。
 てをつないだまーくんからは、夜のにおいがした。


「……ずっと、探してるんです」
 その少女は蓮見ハスミ真咲マサキと名乗った。
「私は、もう一度彼に会うことができますか?」
 占い師は、暗いフードの中でうつむいたままピクリともしない。真咲は苦笑した。お遊びの占いには重い話だ。

 彼が消えた日のことを――あの驚いて見開かれた眼を、まだ覚えている。
 いつも一緒に遊んでいた。親友だと思ってた。大好きだった。
 だけど、それは違う気持ちだと気づいて。
 幼い恋だった。けれど彼は真咲が告げるその瞬間まで、彼女が女だと知らなかった。……笑い話だ。

 いきなり占い師が顔をあげた。ガラスの眼を見開いて、けたたましく笑い出す。
「待チビト来ズ! 待チビト来ズ! 巡リ巡ル螺旋ノ渦ニ交ワル糸モナク引キ会ウ縁ナク会エバ別レ会ワネバ会ワヌ! 待チタトコロデ甲斐モナシ! ケーッケッケッケェ!」
 そしてしゃべりだした時と同じように唐突に沈黙した。
 真咲はカッとなって人形を突き飛ばす。白い顔が地面の上にごろりと転がる。
「ケーッケッケェ!」


 夜の中。アコーディオンの音色。
 天幕の裾が翻る。
 金色の光の中、少年たちの笑い声が弾けて、消えた。
[ 創作短文 / 2006.08.29 / Co0 ]





 新しいのがなんだか書けないのでまたもや昔の掘り返し。
 ダメダメダメダメ病にかかりました。
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